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金融の力で社会課題を解決するESG投資の可能性

今日は、金融の力で社会課題を解決するESG投資についてお話ししたいと思います。 皆さんは、ESG投資についてご存知でしょうか?

 

ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの観点から、企業の社会的責任や持続可能性を評価して投資することです。 ESG投資の目的は、単に利益を追求するだけでなく、社会や環境にも配慮しながら、長期的な価値創造を目指すことです。

ESG投資は、近年、世界的に急速に拡大しています。 2023年末時点で、世界のESG投資残高は約1.7京円に達し、全投資残高の約3割を占めるまでになりました。

 

日本でも、2023年末時点で、ESG投資残高は約200兆円に達し、前年比で約2倍に増えました2。 では、なぜESG投資が注目されているのでしょうか? その理由の一つは、気候変動などの環境問題への対応が急務になっていることです。 2023年10月に開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)では、世界の主要国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという目標を掲げました。

 

この目標を達成するためには、化石燃料に依存する産業やエネルギーの転換が必要ですが、それには膨大な資金が必要です。 ESG投資は、環境に配慮した事業や技術に資金を供給することで、低炭素社会の実現に貢献できると考えられています。 もう一つの理由は、社会的な不平等や不正の是正が求められていることです。 新型コロナウイルスの感染拡大により、貧困や格差、人権侵害などの社会問題が深刻化しています。 ESG投資は、社会に貢献する事業や活動に資金を供給することで、社会的な課題の解決に貢献できると考えられています。 また、企業統治の改善や透明性の向上も、ESG投資の重要な要素です。 企業の不祥事や不正が相次いで発覚しており、投資家や消費者の信頼を失っています。 ESG投資は、企業の経営や財務に対する監視や評価を強化することで、企業の倫理や責任を高めることができると考えられています。 以上のように、ESG投資は、金融の力で社会や環境に良い影響を与えることができるという魅力があります。 しかし、ESG投資には、課題や誤解もあります。 一つの課題は、ESG投資の評価基準や指標が統一されていないことです。 ESG投資は、企業のESGに関する情報を分析して、投資判断を行いますが、その情報の収集や開示、評価には、様々な方法や基準があります。 例えば、ESGに関する格付けやランキングを行う機関や指数は、数百種類も存在しますが、その評価方法や結果は、必ずしも一致しません。

 

また、企業のESGに関する情報の開示も、国や業界によって、義務化されているものとそうでないものがあります。 そのため、ESG投資の比較や判断が難しくなっています。 この課題を解決するためには、ESG投資の評価基準や指標の国際的な統一や標準化が必要ですが、その実現にはまだ時間がかかりそうです。 もう一つの課題は、ESG投資のパフォーマンスやリスクに対する誤解です。 ESG投資は、社会や環境に良い影響を与えることができるということは、理解できるかもしれませんが、それが投資家にとっても有利になるということは、なかなか信じられないかもしれません。 ESG投資は、利益よりも社会的な目的を優先するというイメージがありますが、実際には、ESG投資は、利益と社会的な目的の両立を目指すものです。 ESG投資は、社会や環境に配慮することで、企業の競争力や成長性、イノベーションリスク管理などを高めることができます。 その結果、ESG投資は、長期的には、従来の投資よりも高いパフォーマンスや安定性を示すことができるという研究や実証があります 。

もちろん、ESG投資にも、短期的な変動や不確実性はありますが、それは、どのような投資にも共通することです。 ESG投資は、社会や環境に良いだけでなく、投資家にとっても良いということを、もっと広く知ってもらいたいと思います。

 

以上、私が考えるESG投資の可能性と課題についてお話ししました。 ESG投資は、金融の力で社会課題を解決するという、新しい投資のパラダイムです。 ESG投資は、まだ発展途上の分野ですが、今後もさらに拡大していくと予想されます。 皆さんも、ESG投資に興味を持って、自分の投資スタイルに取り入れてみてはいかがでしょうか?